色褪せたシャツを黒く染色しようと思います。
染料のレビュー口コミを眺めていたら、「英国製家庭用染料ダイロンのプレミアムダイがおすすめ」という書き込みが多くありました。イギリス製というだけでおしゃれ(?)ですし、今回は、ダイロンを使ってみようと思います。簡単手軽ということです。
手順や使い勝手などは、写真付きで詳しく紹介していきます。衣服の染色が気になっている方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
関連記事>>>自宅で藍染をやるよ。SEIWAの「紺屋藍」を買ってみた。
染める衣類
GAPのシャツです。確か、初めてGAPで買った服だったと思います。「初めて」なんて書くと、思い出深い品のような気がしてきますが、特別な思い出は一切ありません。
購入から5年以上経過しているので、色は褪せてくたびれた感じになっています。「捨てるほどボロではない」と思って保管しているのですが、「着るほどキレイでもない」ので、どうしようかと困っていました。今回、ダイロンのプレミアムダイで復活を遂げる予定です。形やデザインは気に入っているので、しっかり染められたら日常生活でも身に着けていきたいです。
襟です。シワシワになっているのは、丸めて衣装ケースに放り込んでおいたからです。一応、洗濯機にかけてから仕舞っておいたのでキレイではあります。
ボタンです。
一般に販売されている衣料品は、綿100%表示でも、縫い糸がポリエステルのものが多いみたいです。このシャツもポリエステルだと思います。ダイロンで染色しても、糸に色は付かないはずです。生地は黒、糸は白だとどんな感じになるのかな。一応、メリハリが出てカッコよく仕上がる予定なのですが、実際にはやってみないとわかりません。
袖です。
タグです。布製みたいなので、この部分も黒く染まると思います。
染料液はダイロンプレミアムダイ(黒)とカラーストップ
楽天で購入しました。送料込みで一番価格の安かった手作り工房というショップを利用です。ゆうパケットで届きました。
- ダイロンプレミアムダイ(ベルベットブラック)
- カラーストップ
細かく見ていきます。
基本情報は以下です。
- 商品名:ダイロンプレミアムダイ(ベルベットブラック)
- 説明:プレミアムダイは、発色が良く色落ちが少ない高品質の染料です。
- 用途:繊維用染料
- 種類:反応染料
- 液性:アルカリ性
- 染まる繊維:綿、麻、レーヨン(ウール、シルクは薄く染まります。)
- 染まらない繊維:ポリエステル、アクリル、ナイロン、撥水加工などの加工がある繊維
1袋で繊維250g(Tシャツ約2枚分)を染めることが出来ます。今回染めるのはシャツ1枚だけなので、1袋だけでも十分に色が付くはずです。
裏です。使用方法、染色のポイント、注意の記載があります。
初めて使うアイテムなので、使い方だけ簡単に確認しておきます。
- 染料を500mlのお湯で溶かす
- 塩250gを6lのお湯で溶かし、染料液を加える
- 染めるものを広げて入れ15分混ぜる、その後45分浸ける
- 水ですすぎ、陰干し
という流れみたいです。文字で手順を追うと簡単なように感じますが、おそらく、実際にやってみると大変なパターンだと思います。
基本情報は以下です。
- 商品名:カラーストップ(色止め剤)
- 説明:洗濯による色落ちが激しい物の色止めに。染色後に使用すると更に色止め効果がアップします。
- 用途:綿・麻・及び綿/化繊混紡専用止め剤
- 成分:複水酸基とアルカリ性複アミンの混合水溶液100%
- 内容量:50ml(液体)
ダイロンプレミアムダイの特徴の一つに「色落ちがしづらい」とありました。なのでカラーストップは、無理して用意する必要はないのかもしれません。ただ、「頻繁に洗濯をするようなものならカラーストップを使っておいた方が無難」という勧めを見つけたので今回は買ってみました。
裏です。使用方法、使用できるもの、使用上の注意があります。
こちらも初めて使うアイテムなので、使い方だけ簡単に確認しておきます。
- 水で洗い濡れたままにする
- 容器にお湯を注ぎカラーストップを入れ混ぜる
- 攪拌しながら15分浸ける
- 水洗いのあと陰干しする
という流れになるみたいです。
確認のため中身を取り出してみました。カラーストップは透明の液体です。少しだけ黄色味がかっています。袋越しの印象では、トロっと若干の粘性があるように感じます。
裏面には使用上の注意などがありますが、箱のパッケージにあった記載とほぼ同じ内容でした。
その他に使う物です。
- バケツ(7.5l)
ダイロンプレミアムダイによる染色では、6.5Lのお湯と染めるものが同時に入る容器が必要です。ウチに大きなバケツは無かったので、新しくセリアで買ってきました。
- 湯桶
「コーヒ染めで無印のエコバッグ(布)を染色するよ。オシャレにリメイクしたい」で用意した物です。
- 塩
スーパーで買いました。一番安かったやつです。
ダイロン染色に挑戦(手順)
湯桶に500mlのお湯(約40℃)を張りました。
ダイロンプレミアムダイを投入します。
何となくシャッターを押しただけですが、幻想的(?)な写真が撮れました。ふわっと青い糸が広がっているようで素敵に思います。
1袋入れ切りました。ダイロンプレミアムダイの粉は軽く舞いやすいです。小麦粉みたいな感じ。水面ギリギリで入れないと、周囲に飛び散っていきます。要注意ポイントです。
割り箸でグルグルかき混ぜます。
公式サイトでは、かき混ぜの工程で泡だて器を使うよう記載がありましたが、この一回のためだけに泡だて器を使うのはもったいない気がするので、割り箸を使って作業をする事にしました。たぶん、問題はないはずです。
30秒程で溶け切りました。
嫌なニオイはほとんどありません。鼻を近づけたら微かに感じる程度です。室内でも作業がしやすいのは嬉しいポイントに感じます。
バケツに6Lのお湯(約40℃)を張りました。
塩250gを投入します。「100均ダイソーの「はかり(計量器)デジタル・アナログ」を全部買ってみます【2種類】」などは使わずにダイナミックにいきます。1kgの塩を買ったので「1/4ぐらいを入れたらいいんだ」という感じです。
容器の底に塩が溜まってしまったので、割り箸を使ってよくかき混ぜます。
塩250gを溶かしたお湯に、染料を溶かしたお湯を加えます。
ブルーシートやビニール袋で床を保護してからやるべきでした。零してしまったら大変なので慎重にいきます。
入れ終わりました。よくかき混ぜます。
黒いバケツに黒い染料液なので見にくい感じになってしまいました。別の色のバケツにしたらよかった。
使い捨てのビニール手袋を装着します(公式ではゴム手袋が押されていました)。
普段のDIYでは、カインズホームの「ぴったりフィット!」みたいな手袋を使っていたのですが、無くなってしまったので、間に合わせでドラッグストアで買ってきました。
何だか、指の部分が短くて窮屈に感じます。動かしづらいです。装着感悪めかもしれません。新しく買ったものを使い終わったら、カインズホームの手袋に戻る予定です。
シャツを投入します。
「染めるものは洗って汚れやノリを取り除き、濡れた状態にしておく」というのが本来の手順だったのですが、すっかり忘れていました。乾燥した状態で染料液に浸けてしまいました・・・。
15分間よく混ぜます。ムラを作らないようにするには、両手で混ぜるのがコツみたいです。
15分経過です。なかなか体力のいる作業でした。前のめりに屈んでいたので腰に負担がかかっている気がします。明日が心配です。
かき混ぜている最中に液がよく飛びました。洋服に付いてしまうと取れなくなってしまうので、汚れてもいい服かエプロンを付けながらやると、余計な心配もせず作業を進められると思います。エプロンは「ダイソーのエプロン(ポパイ)を珈琲で染める【200円】」などの安いやつでいいと思います。ちなみに、自分はパジャマでやっていたので・・・。な感じでした。
45分間浸け置きをします。ムラにならないよう時々かき混ぜる必要があるそうです。
待ち時間でちょっと片づけを。
染料を溶かした桶です。ダイロン染色で使った桶は、勝手に「捨てないといけない」と思っていましたが、洗えばキレイになるみたいです。そんなアドバイスを載せているサイトがありました。
「桶ってどうやって捨てるんだろう」なんて思い、自治体のホームページを覗いたりもいていたのですが、洗えば再活用できるみたいで助かりました。
そんなわけで、試しに洗ってみました。ピカピカです。新品みたいな輝きに戻りました。洗剤などの強力な(?)アイテムは使わず、水を掛けながら指で擦っただけですが、ここまでの状態にする事が出来ました。何だか気持ちがいいです。
ちょっとした小ネタを挟んだところで染色作業に戻ります。
45分経過です。バケツからシャツを引き上げます。パッと見は均一に染まっています。色も馴染んでいますし、いい感じかもしれません。ちょっと青っぽいニュアンスもあります。
水洗いをします。
終わりです。完全に色が出なくなるまで20分近くかかりました。
バケツでの染色作業のとき
15分経過です。なかなか体力のいる作業でした。前のめりに屈んでいたので腰に負担がかかっている気がします。明日が心配です。
なんて事を書きましたが、濯ぎの作業の方が2倍以上辛かったです。洗っても洗っても余分な染料が出てきて、無限に終わらないのかと思いました。
そういえば、藍染の時も濯ぎの作業が大変だったなと思いだしました。「自宅で藍染をやるよ。SEIWAの「紺屋藍」を買ってみた。」です。
最近は、コーヒー染めや紅茶染め、「【草木染め】玉ねぎで布を染色。ハンカチと巾着を黄色にリメイク」などにもチャレンジしているのですが、濯ぎの作業が一番大変です。
続いて色落ちを防ぐ処理をします。これが最後の工程です。
バケツに6リットルのお湯を張りました。染色時と同じ分量を用意するといい、というアドバイスがあったのでその通りにしています。
カラーストップを開封してバケツに注ぎます。若干ですが、化学薬品のようなニオイがあります。苦手かもしれません。
割り箸を使ってよくかき混ぜます。今日は割り箸が大活躍です。
カラーストップは透明の液体なので、お湯に混ぜるとわからなくなります。しっかり溶け込んでいるかは、見た目で判断する事が出来ないので、多めに20回転ぐらい混ぜておきました。きっと大丈夫なはずです。
そうそう、大量のお湯に混ぜたら薬品系のニオイはわからなくなりました。タスカリマシタ。
シャツを投入します。漬け置きの時間は15分が目安です。まんべんなく染み渡るように、定期的にかき混ぜる必要があります。
染料のニオイが気になる場合は、洗剤を入れてもいいそうです。ただその場合は、中性洗剤(おしゃれ着洗い用)を使う必要があるのだとか。
15分経過です。すすぎます。
染料液の時とは違って、色が染み出てくるわけではありません。どこまで洗っていいのかがイマイチ掴みづらいです。色止め剤ですから、洗いすぎても”なんとなく”ダメなような気がするので、ほどほどで辞めておくことにします。
終わりです。あとは脱水をしてから陰干しをします。
今日はカラっと天気も良く、やさしい風も吹いています。絶好の洗濯もの日和。夕方までには乾くと思います。どんな仕上がりになるのか楽しみです。
ダイロンを使って黒に染めたシャツ
落ち着いた深みのある黒になりました。発色が良く上質な感じがあります。塗れた状態の時は青っぽい印象もありましたが、乾いたらその印象は無くなりました。
全体はこんな感じです。ムラなども無く綺麗な単色で染めることができました。染色の腕は初心者レベルですが、ダイロンプレミアムダイは素人でも扱いやすい染料だと思います。
袖を開きました。
生地は黒、糸は白だとどんな感じになるのかな。一応、メリハリが出てカッコよく仕上がる予定なのですが、実際にはやってみないとわかりません。
なんて事を書きましたが、メリハリも出ていてカッコよく仕上がっていると思います。自然な感じです。違和感などは一切ありません。うまく出来て良かった。
襟です。全てのボタンを外して、襟を立ててから染色しました。上手い具合に色を付けることができたと思います。
ビフォーアフターです。左が染色前で右が染色後。色の比較がしやすいと思います。くすんだグレーから深い黒にチェンジしているので、まったくの別物に見えます。真っ黒のシャツなので、服自体の印象は強くなりました。着こなすのはちょっと難しそう。
ボタンです。黒い生地に白いボタンと糸というのは、なかなか良い組み合わせに思います。ちょっとした小洒落感も出ている気がします。
袖です。
ボタンを外しました。内側も均一に染まっています。
タグです。GAPのロゴは完全に消えています。サイズ表記のLというアルファベットは薄っすら確認することが出来ます。
品質表示のタグです。灰色っぽく変色してはいますが、元々の色とほとんど変わりありません。黒い生地に白いタグは目立ちますが、服の内側に付いているので特に問題は無しかと思います。
ダイロンマルチでTシャツをネイビーカラーに(追記:2021年8月2日)
ダイロンマルチのネイビーを使ってTシャツを染めてみました。
落ち着きのある色味に仕上がりました。深みのある紺色です。発色が良く上質な感じがあります。染色の腕は初心者レベルですが、ムラなども無く奇麗な単色で染めることができました。仕上がりはバッチリだと思います。
本記事で使っている「プレミアムダイ」とは別のシリーズの染料ですが、こちらもなかなかいい染料だと感じました。詳細は「ダイロンマルチのネイビーでTシャツ(ユニクロ)を染める」で紹介しています。
さいごに
英国製家庭用染料「ダイロンプレミアムダイ(ベルベットブラック)」を使って、退色したシャツを黒く染色してみました。
濯ぎの工程や後片付けは大変で、簡単手軽に染色というわけにはいきませんでしたが、苦労をするだけの価値はありました。大満足です。
説明書に倣って進めるだけで、初心者でもムラなく染めることが出来ました。扱いやすくておすすめの染料だと思います。ダイロンプレミアムダイシリーズには、2020年10月30日現在、18種類のカラーバリエーションがあります。
- フレンチラベンダー
- トロピカルグリーン
- サンフラワーイエロー
- チャイナブルー
- パウダーピンク
- ネイビーブルー
- ダークグリーン
- ペブルベージュ
- ダークブラウン
- ベルベットブラック(今回使った染料です!)
- バハマブルー
- オーシャンブルー
- フラミンゴピンク
- インテンスバイオレット
- オリーブグリーン
- チューリップレッド
- ジーンズブルー
- バーレスクレッド
ダークグリーンなんかは、カーキっぽい質感もあって人気があるようです。ブログなどで紹介している方も多くいました。自分も好きな色なので、次に染色する機会があれば使ってみたいと思います(ネイビーブルーなんかもやってみたい)。
ダイロンを使って新たに染色をしたら、この記事に追記でお知らせを載せようと思います。よかったらまたブログに遊びに来てください。それでは最後までありがとうございました。