なんとなくの思い付きで「藍染」をやる事にしました。自宅で簡単にきるキットも購入済みです。
藍染をやるのは、小学校の体験授業以来です。上手く出来るかわかりませんが、掴んだコツやテクニックは紹介していこうと思います。
気になっている方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
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購入した藍染キットは「紺屋藍」
SEIWAから発売されている「紺屋藍」という藍染キットです。ホームセンターに行ったら取り扱いがなかったので、Amazonで購入しました。
少し長いのですが、公式サイトの文章が素敵だったので紹介します。
藍染だけがもつ、独特な風合いと、深い藍色の美しさは
いつの時代も人々の心を魅了し、生活の中で愛されてきました。
「ジャパン・ブルー」とも言われ、
これほど生活に深く溶け込んだ染はありません。SEIWAではこの藍染を、どなたにも手軽に親しんでいただくために、
藍染の染料「紺屋藍」をつくりました。
着るものから部屋を飾るものまで、
ぜひこの美しい、藍染の世界を紺屋藍で楽しんでください。
なんだかいいです。いい感じです。ワクワクします。
紺屋藍の藍は、100%生の藍の葉から作られているそうです。これで染めた作品は、本物の本藍染になるのだとか。使ってみるのが楽しみです。
パッケージの裏面です。染め方の手順、パッケージ内容(付属品)の説明、自分で用意するもの、技法のサンプル、注意事項などの記載があります。
商品パッケージの裏面と言えば、ビッシリ文字が詰め込まれている印象がありますが、「紺屋藍」のパッケージは、余白があり、デザインを意識した作りになっています。
中身はこんな感じです。左から、
- 説明書
- 銀袋(紺屋藍、藍溶解剤)
- 藍色止め材
- ゴム手袋
です。
詳しく見ていきます。
説明書を開いてみました。主に、注意書きの記載です。
- 必ず付属のゴム手袋、エプロン、染まっても問題のない衣服を着て、台所のシンクなどで染めてください。
- 紺屋藍は風などで飛散しないようご注意ください。
- 藍染したものは、汗や洗濯で色落ちする場合があります。洗濯の際は単独で洗ってください。
みたいな事が沢山書いてあります。藍染を始める前に、しっかり目を通しておきます。
用意するものと、手順の紹介です。きれいに染めるPOINTなんかも紹介されています。
重要な部分には、文字の装飾がしてあります。丁寧な作りの解説書だと思います。
藍染を楽しむ12種類の技法です。模様(柄)の作り方ですね。
実際の作業写真に加えて、イラスト付きで解説されています。パッと見た感じは、わかりやすい、という印象です。
輪ゴムや割り箸を使った技法は有名だと思いますが、カゴやビニールを使った技法は初めて知りました。
今回は準備がないのでできませんが、なかなか味のある模様が作れるみたいです。
説明書の後ろ半分は、英語での解説になっています。日本伝統の「藍」が海外でも人気、みたいなニュースを以前見たことがあります。需要が高いみたいです。
紺屋藍と藍溶解剤が入っている銀袋です。
開封後はすぐにご使用ください。食べられません。
との注意書きがあります。使う直前に開封しますね。
藍色止め材(20g)です。
特に色落ちを防ぐ場合に使用します。飲めません。
裏側です。手順の説明があります。最後の工程で使う液体みたいです。
ゴム手袋です。気が早いのですが、装着してみました。
厚みがあって、手にフィットする感じがします。安物感はないです。サイズはMかなという気がします。自分の手には小さく感じました。
染める衣類
Tシャツとタオルを2枚ずつ用意しました。色付きのシャツも染められるようですが、無難に白を選択です。詳しく紹介します。
ユニクロのクルーネックT(半袖)です。Lサイズ。綿100%なので、しっかり染まると思います。
値札には1,000円と書いてありますが、レジに持って行ったら790円で買う事ができました。セールだったみたいです、ラッキー。
タオルは、西友で買ったフェイスタオル(ホワイト)です。天然素材で、しっかり吸収、との事です。綿100%で、サイズは約34×80cm。
安いタオルなので触り心地はソコマデといった感じです。ゴワゴワしています。
藍染に挑戦(やり方)
「絞り(細工)→藍液作り→染色→仕上げ→色落ち処理→乾燥」という手順です。難しかったり、複雑な作業はなさそうなので、楽しく作業ができると思います。
絞り(技法)
まずはタオルからです。折り絞り(折り方や、しばる場所で多彩な変化が楽しめます。)をやってみます。
- 4つにびょうぶ折り
- 2等辺三角形にびょうぶ折り
- 両端と真ん中を輪ゴムで止める
という手順です。
こんな感じになりました。八つ橋を縛ったみたいな形(?)です。
これで染めると、四角形が連続したような柄になるみたいです。仕組みがイマイチ想像できないので、やってみるのが楽しみです。
もう一枚のタオルは、巻き上げ絞り(布全体を絞ったり、細かく絞ったりで、いろいろな柄が生まれます)をやってみます。
- 割りばしに布をかぶせ、折りじわを均一に
- 下から輪ゴムでぐるぐる巻く
- 余分な割りばしをハサミでカット
という手順です。
割り箸3本を使って、3カ所に突起を作りました。
これで染めると、丸いクラゲのような柄ができるみたいです。藍染の柄としては、一番メジャーかな、と勝手に思っています。
続いて、Tシャツです。
棒絞り(部分的に絞ったり、大きく絞るとかでも楽しめます。)をやってみます。
- 割りばしを芯にして、布を端からゆったり巻く
- 片側ずつ布をたぐりよせ、ぎゅっと締めつけて端を輪ゴムで固定
- 両方からよせる
という手順です。
Tシャツ全体を丸め込むのは、少しやり過ぎに感じたので、右下20cmほどを巻いてみました。
厚みのある生地なので、もっさりした(綺麗に巻けていない)ような感じですが、たぶん大丈夫だと思います。
成功すると、魚の鱗みたいな柄ができるみたいです。
もう一枚のTシャツは、絞りはやらずに染めてみようと思います。単色(ワンカラー)というのでしょうか。シンプルに作ってみます。
終わりです。説明書がわかりやすかったので、スムーズに作業が進みました。
(キレイに畳んでから写真を撮れば良かった・・・)
藍液作り
水の入ったポリバケツ(5L)を2つ用意しました。1つは藍液用で、もう1つは水通し・仕上げ洗い用です。
バケツは使い捨てる予定なので、セリアで買った安いやつを使用しています。明るいオレンジ色で、ちょっとしたオシャレ感もありますが、基本的にチープな作りです(主に持ち手部分)。
銀袋を開封しました。紺屋藍(15g)と藍溶解剤(125g)が、チャック付きの透明ビニール袋に入っています。
説明書の手順に倣って、紺屋藍から溶かしていきます。見た目は、結晶みたいな粒です。水に入ると、フワっと消えてなくなります。
鼻を突くような臭いがあります。発酵とか腐敗系です。あまり得意な感じではありません。換気とマスクが重要です。
全て溶かしました。藍というより、ほとんど黒に近い色です。
割りばしを使って掻き混ぜます。深さのあるバケツを使っているので、菜箸なんかがあると捗りそうです。
続いて、藍溶解剤を投入します。
入れ終わりました。さらっとしていて、小麦粉に近い質感でした。気を付けないと、舞う感じがあります。室内での作業なので、少し厄介でした。
割りばしを使って再度掻き混ぜます。
かなりインパクトがあります。強烈な見た目です。鼻を衝くニオイもプラスされて、怪しさ満点な液体になっています。
小学校の体験授業でやった時も、こんな雰囲気だったっけなあ。記憶がほとんどないので、思い出すことはできません・・・。
とりあえず、ここから20分ほど放置したら、藍液の完成となります。
染色
まずは、染めるものを水に浸けます。時間は5~10分が目安です。こうする事で、染料が繊維に染み渡りやすくなるみたいです。
バケツが小さくて、Tシャツまでは入りませんでした。タオルの染色が終わってから、Tシャツの染色、という流れでやってみようと思います。
軽く絞ります。
投入します。ブルーシートで床は保護していますが、液が跳ねると厄介なので、ゆっくり慎重に沈めていきます。
もう一つのタオルも沈めます。巻き上げ絞りの方です。
藍液の中に入れて、3分間手でもみ続けます。タオルがどうなってるか気になる所ですが、途中で引き揚げたりするのは良くないみたいです。3分後を楽しみにして、指先を動かしつづけます。
3分間経ちました。引き上げてみると、深い緑色に染まっています。
一度、水にくぐらせます。
こんな感じです。
新聞紙に挟んで水分をよくとります。
開いてみると、藍色に変わっていました。変化する瞬間を見逃した・・・。たいして時間は経ってないのに不思議です。
気になったので調べてみました。色の変化を簡単に説明すると、「空気に触れることによって起こる酸化現象」みたいです。
Q5空気に晒すと色が青く変わるのはどうしてですか?
A5
藍染め最大の不思議な特徴として、酸化発色が挙げられます。これは、藍が青く発色するために必要な過程で(酸化還元)、自然界の法則に従い空気中の酸素と藍の色素が水素結合することにより変色する化学変化です。
また、物質の燃焼や動物の呼吸も酸化現象の1つです。藍染めの場合、結合した2つの分子は絡み合い繊維のポケットに入り込みます。
これが藍で染まるということです。
逆に、繊維のポケットは有限であるため、分子が落ち着かなかったり、入り込めなかったりすることが色落ちするということになります。
細工で付けた輪ゴムと割りばしを取り外します。
広げて乾かします。意外と、上手くいっている気がします。深くて綺麗な色味です。ソレっぽい図柄もできています。
続いて、Tシャツを染めていきます。
3分間もみ続けます。バケツがギュウギュウで作業しずらいです。もっと大きなサイズを用意しておけばよっかった。
この辺りになって、ようやく、藍染特有の臭いにも慣れてきました。というより、麻痺してわからなくなったの方が近いかもしれません。
引き揚げます。酸化前なので深い緑色です。コケっぽい感じもあります。
新聞紙に包んで水気を取ったあと、広げて並べました。藍色一色を目指しましたが、結構ムラになっています。
バケツにギュウギュウに詰め込んで作業したので、液が隅々まで行き渡らなかったのが原因だと思います。大きくて厚みのある物を染色する場合は、平たい桶や、タライの方が向いているかもしれません。
ただ藍染なら、ムラになってしまった模様や、たまたま付いてしまった濃淡柄も、「味」になると思うし、そんなに気にする事ではないのかもしれません。
余った藍液は、下水に流して処理する事ができます。紺屋藍、助剤に含まれている成分は、全て環境にやさしい物なので全く問題ないそうです。
藍液から手を抜いてみると、ゴム手袋が破れて穴があいていました。右手中指です。写真には写っていませんが、左手人差し指も破れていました。
厚みのある手袋だったので油断していました。何かに引っ掛けたという事ではないので、変に力が掛かってしまったせいですかね。
手袋を外しました。しっかり着色されています。石鹸とたわしで擦ってみましたが、若干色が薄くなる程度で、落ちる気配はありません。
※肌についた藍色は、2日ほどで落ちましたが、爪に付いた藍色は、1週間ほど落ちませんでした。
仕上げ
洗面所に移動しました。水洗いをします。
熱めのお湯で洗います。ケトルで沸かしたお湯に、少しだけ水を混ぜて温度を調節しています。
手で絞って水気を切ります。今日は、揉んだり絞ったりする作業が多くて、握力が抜けている感じがします。全然力が入りません。学生自体にやった引っ越しバイトを思い出します(?)。
色落ちを防ぐ処理
バケツに水(3L)を貯めたら、藍色止め剤を1ビン入れます。真っ白の液体です。焦げたようなニオイがあります。
3分経ったら引き揚げて乾かします。藍染の工程はこれにて終了です。
そうそう、仕上げの濯ぎと色落ち処理をしたら、洗面台のシンクが青色になってしまいました。排水溝付近はくっきり色が残っていてヒドイ状態です。
ハイターのつけおき後にスポンジで擦ったら綺麗になりましたが、結構めんどうだったので挑戦する方は注意してくださいね。
Tシャツとタオルの藍染が完成
優しくて大人っぽい仕上がりになりました。なんだか雰囲気が良いです。
初めに染めた物は色が濃く出ます。その後は、だんだん薄くなって、水色のような色味になっていくみたいです。
深くて落ち着いた青もいいですし、涼しげで鮮やかな青も魅力的だと思います。染める順番をしっかり考えれば、好みの色彩を楽しめそうです。
一つ一つ見ていきます。
折り絞りです。技法の解説書によると、四角形が均等に並ぶ柄でしたが、雑というかダイナミックな四角形が出来上がりました。線の太さも所々違って、色の抜け方もランダムです。
どうですかね。個人的には「良い感じだな」と思っていますが・・・。
狙った柄にはなりませんでしたが、偶然できる柄を楽しめるのも、藍染のいい所な気がしています。
巻き上げ絞りです。クラゲが浮いているような柄ですね。これは、解説書通りにできていると思います。再限度は高いハズです。
藍色の海をクラゲが漂っているような感じがして、好きなデザインです。今回は、割り箸3本で3体のクラゲを作りましたが、小さなクラゲを沢山作ったりしても良さそうです。
図柄の出具合を調整できるようになったら、バリエーションも増えて、更に面白くなりそうです。
単色を意識したTシャツです。藍色一色になる予定でしたが、見事に(?)斑(ムラ)模様になってしまいました。頑張れば、グラデーションのようにも見えますかね。
糸には色がついていません。一般に販売されている衣料品は、綿100%表示でも、縫い糸がポリエステルのものが多いみたいです。その部分だけ、ほとんど色がつかないそうです。
気になると言えば気になるのですが、不自然な感じはありませんし、「こういったもの」と言えば、「こういったもの」にも見えます。いいでしょう。
右下に、巻き上げ絞りをやったTシャツです。細工自体は上手く出来たのかなと思います。炎が燃え上がっているように見えて綺麗です。タイダイ柄っぽい印象もありますかね。
単色柄を目指したTシャツもそうですが、目指したものとは違う形で完成しました。ただ、嫌な感じではありません。
スーパーにお遣いに行ったり、100均に遊びに行ったり、ちょっとしたお出かけの時に着ようと思います。
染色がちょっとした趣味に?(追記:2021年7月25日)
藍染をやってからというもの、布(洋服)の染色にハマってしまいました。コーヒーや紅茶などの身近なものを使ったり、市販の本格的な(?)染料を使ったり、出来る範囲で色々なものを試しています。写真は玉ねぎの皮で染色液を作っている最中のもの。
今までにやってきた染色をまとめています。「布(服)を染める【染色まとめ】」です。2021年7月25日現在で、11パターンの染めを紹介しています。気になった方は、チェックしてみてください。
さいごに
小学校以来の藍染は、楽しく作業する事ができました。紺屋藍のおかげです。
アドバイスというか、注意点を少し。簡単に色を付ける事はできますが、準備やら作業やらは、基本的に手間が掛かって大変でした。
「パパっとすぐできるでしょ」みたいな感覚で臨むと、後悔する事になるかもしれません(体験済み)。
とはいっても、かかった労力に対して、十分すぎるほどの効果があります。
色落ちしてしまったシャツやハンカチを染めれば、生地がダメになるまで何度も使い直す事が出来ます。エコです。
慣れてきたら、自分好みでデザインを作ることもできますし、楽しい趣味になる事間違いナシ(?)です。
次は、草木染めに挑戦してみようかな。玉ねぎの皮など、身近な天然植物を使って色を付けることが出来るのだとか(あれ、藍染も草木染の一種でしたっけ?)。
追記(2020年11月6日)です。玉ねぎ染めに挑戦をしてみました。「【草木染め】玉ねぎで布を染色。ハンカチと巾着を黄色にリメイク」です。柔らかい黄色のカラーで雰囲気のいいアイテムになりました。気になったからは、ぜひチェックしてみてください。
再度、染色にチャレンジした時は、このブログでお知らせしようと思います。よかったら、また遊びに来てください。それでは、最後までありがとうございました。