玉ねぎの皮を使えば、黄色っぽく爽やかな色味で布を染色ができるそうです。草木染めでは王道の染料なのだとか。面白そうです。今回は、玉ねぎ染めにチャレンジしてみようと思います。
少し前にやったコーヒー染め、紅茶染めがソコソコ上手くいったので、今回もソコソコいい物が作れる予定でいます。デザインの目標はシンプルでオシャレ。日常生活でも使えるぐらいのクオリティで仕上げたいです。
掴んだコツやテクニックは紹介していくつもりです。玉ねぎ染めのやり方が気になっている方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
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玉ねぎ染めに使う道具と材料
紅茶染めで使った布と同じものを用意しました。さいごに発色の比較をするつもりです。100円均一セリア製。
- 品名:キンチャク(S)どうぶつナチュラル
- サイズ:約210×160mm
- 材質:綿(本体)/ポリプロピレン(紐)
- 発売元:シナップス・ジャパン
左側。ふっくらした猫のイラストが可愛い巾着です。「100均ダイソーの「マグネットフック」をたくさん買ってみました【16種類】」でも活躍しています。
- 品名:てぬぐい風バンダナ刺繍
- サイズ:約50×50cm
- 材質:綿100%
- 発売元:フジサキ
右側。黒猫の刺繍が可愛いハンカチです。赤い首輪が映えています。
簡単にチェックしてみます。
巾着の表面です。ゴワっとした触り心地になっています。固め。色は淡いベージュという感じ。麻っぽい感じもあります。
紐です。猫のイラストと同じ藍色が使われています。ポリプロピレンという事なので染料の色は入らないと思います。
ハンカチ表面です。サラっとした触り心地になっています。白と言うよりは乳白色に近いと思います。
刺繍です。よく見ると黒目の大きさが違っています。髭の角度もばらばら。手作り感(?)があります。この部分に色は入るのでしょうか。
染色に使うため用意した道具です。
- 湯桶
- 豆乳
- ミョウバン
- 玉ねぎ
詳しく見ていきます。
湯桶です。漬け置きや濯ぎに使います。
今までの染色では半透明の湯桶を使っていました。使い心地に問題は無かったのですが、豆乳を使った下地処理の工程で「白い桶に白い液に白い生地」という、白ばかりのカラーリングになってしまい写真的にも見づらくなっていたので、赤い派手な湯桶を買ってみました。
品質表示によると原料樹脂はポリプロピレン。耐熱温度は120度となっています。今回の染色にも問題なく使う事ができます。
調整豆乳です。たまたま冷蔵庫にあったものです。下地作りに使います。
布をそのまま染めるだけだと、上手く色が乗らないそうです。”詳しい事はわかりませんが”、豆乳に浸す事で、含まれているタンパク質が繊維と結びつき色素が吸収されやすくなる、という事です。
下地作りに使用する豆乳は、無調整のものが押されていましたが、今回使うのは調整豆乳です。成分がどうとか、仕上がりがどうとか、細かな部分で違いが出てくるのかもしれませんが「どちらも豆乳なのだから平気でしょう」という素人らしい感覚(?)で進めていきます。
焼アンモニウムミョウバンです。コーヒー染めや紅茶染めで使ったので開封済みです。仕上げの色止めに使います。草木染めでは定番のお役立ちアイテムみたいです。
強アルカリ性のセメントを中和するのにも使えます。「【DIY】おしゃれな「セメント鉢」を手作りするよ!観葉植物のディスプレイを楽しむ【作り方】」です。なにかと活躍する事の多いアイテムです。
今回の主役。玉ねぎです。いつもは躊躇なく捨てている”皮”を目当てに玉ねぎを買う事になるとは思っていませんでした。
大中小などのサイズ表記はありませんでしたが、一つが握りこぶしぐらいの大きさなので、大サイズなのかと思います。見た目通りずっしり重たいです。中身が詰まっている感じ。皮を取った後の実(?)は、夕飯に使おうと思います。
ハンカチ1枚を染めるのに中サイズの玉ねぎ2個が目安、というアドバイスがありました。今回染めるのは、ハンカチ1枚と小さな巾着1枚ですから、大サイズの玉ねぎが3個あれば十分だと思います。
玉ねぎ染めスタート
下地作りの準備です。桶にお湯を張りました。
豆乳を注ぎます。下地作りに使う液体は、濃ければ濃いほど色が乗りやすくなるそうです。なので着色効率を考えると、本当は豆乳を薄めず原液で使った方がいいのですが、「残りがほとんどない」という完全な準備不足が発覚したので、水3:豆乳1の割合で使う事にしました。
割り箸でよくかき混ぜました。白く濁ったような液体になっています。
ハンカチを投下します。
続いて、巾着も入れました。この状態で20分程放置します。どうしても浮かび上がってきてしまう部分があるので定期的に沈めておきます。
その後、10分程揉み込みます。全体にしっかり染み渡らせるとキレイに染まる、という事なので、手を抜かずにやります。一生懸命です。
よく絞ってから取り出しました。
揉み続けるのは握力も使うし大変だったのですが、見た目に変化の起こる作業ではないので、やり終えた感というのか、「達成感」みたいなものが無いです。
とりあえず、布の下準備は終わりました。続いて染料液作りです。
玉ねぎの皮を剥きます。
1つ終わりました。玉ねぎの皮剥きって面倒な作業ですが、こうやってじっくり観察してみると、皮の量自体は少ないんですね。一気にぺろっと剥がれないのが問題なのでしょうか。チマチマやらないといけないのがすこし手間に感じます。
3つ終わりました。玉ねぎの皮はふわっと嵩張っています。一見すると結構な量に見えるかもしれませんが、潰すとそんな事はないです。想定していたよりだいぶ量が少ないので、しっかり色が出るか不安です。
ボロの鍋に1リットルの水を入れました。火にかけて沸騰したら玉ねぎの皮を入れます。
1分ほどで色が出始めました。
30分経ちました。玉ねぎの皮はくたくたしんなり。染料液は透き通るような茶色になっています。コーヒー染めや紅茶染めの時と比べて、染料液の色が薄いのが気になりますが、これ以上煮込んでも色は出てきそうにないので、この辺りで辞めておきます。
ざるにキッチンペーパーを敷いて濾しました。
あらかじめ玉ねぎの皮を、目の細かいネットや布で包んでおけば、濾す工程が不要となり楽ができたみたいです。
巾着とハンカチを投入します。
染料液に入れた瞬間、茶色い色味がフワっと染み渡って素敵でした。染色は何度もやっていますが、この瞬間はいつも楽しいです。ワクワクします。
弱火でグツグツ煮込んでいきます。沸騰しないよう温度に注意です。
ムラができないように定期的にひっくり返します。布が水を吸って重いです。割り箸ではなくトングなどの強度のあるものの方が向いていると思います。
換気扇を回しながら作業していますが、部屋の中一面が玉ねぎのニオイに包まれています。目が痛いです(皮剥きの時から・・・)。窓も全開にして、風を通しながら続けていきます。
ある程度煮込んだら火を止めて、色止め液の準備をします。
桶にお湯を張ります。
ミョウバンをいれます。
草木染めの熟練者になると、布の重さや面積によって濃度を変えたりもするようですが、読んでもイマイチわからなかったので、初心者らしく適当に入れました。たぶん7gぐらいです。
前回の紅茶染め、前々回のコーヒー染めの時も、こんないい加減な感じで進めていましたが、一応上手く行ったので大丈夫だと思います。頻繁に洗濯するような物の場合は、しっかり計算した方が良いかもしれません・・・。
軽くかき混ぜたら結晶は溶けました。
鍋から巾着を引き上げます。パッと見は均一に染まっています。色も馴染んでいますし、いい感じかもしれません。ただ、黄色に染まるという話でしたが、薄っすらとした茶色になっていますね。
色止め液に投入です。熱くて絞れなかったので、水気は取らずに漬け込みました。
鍋から完全に取り出したら、茶色から黄色に変化していきました。どうしてこうなったのか。仕組みはワカリマセン。
そういえば、藍染をやった時も似たような事が起こりました。「自宅で藍染をやるよ。SEIWAの「紺屋藍」を買ってみた。」です。あの時は「空気に触れることによって起こる酸化現象」だったと思います。玉ねぎの場合は何なのでしょう。という締まりのないコメントを残した所で次の作業に移ります・・・。
ハンカチです。
もう黄色くなっています。先ほどの、引き上げる瞬間の写真と見比べてみると、色の変化が分かり易いと思います。
色止め液に放り込みました。この状態で30分程待ちます。どうしても浮き上がってくる部分があるので、定期的に押さえて沈めておきます(2回目)。
30分経過しました。特に見た目に変化があるわけではありませんが、色褪せや退色の防止はできているはずです。洗います。
桶に水を貯めてすすぎます。色が出なくなるまで徹底的に洗い続ける必要があります。
今日は、揉んだり絞ったりする作業が多くて、握力が抜けている感じがします。全然力が入りません。完成まであと少しなので頑張りたいです。
終わりです。洗っても洗っても色が染み出てきて大変でした。濯ぎの工程はなかなか根気がいります。手強かったです。
鮮やかな黄色です。「墨汁、絵の具、プリンターインクで布を染める【100均染色】」のプリンターインクと似た質感を感じます。
天気がいいのでベランダで干します。日陰干しがいい、みたいな話もあったのですが、お天道様で一気に乾かしてしまう事にしました。
紅茶染めした巾着とハンカチ
濡れている時は鮮やかな黄色という感じでしたが、乾いたら色味が落ち着きました。柔らかい黄色のカラーになっています。くすんだような印象もあります。好きな感じです。
シンプルな単色仕上げです。色ムラなどもなくキレイに染めることが出来ました。いい具合だと思います。
玉ねぎのニオイはまったく感じません。
シワを伸ばしてから撮影するべきだったのかもしれませんが、くしゃっとした表面から、アンティークのようなレトロのような雰囲気も出ていて、これはこれで悪くはない気がしています。
裏面です。均一に色が付いています。
紐です。ポリプロピレンという事なので、玉ねぎの色は入りませんでした。
ビフォーアフター風です。染色していない新品の巾着と並べてみました。
紅茶染めをした巾着も加えてみました。紅茶染めに使った巾着だけMサイズなので、イラストの大きさなどから雰囲気が少し違って見えますが、なんとなくの色のイメージは掴むことができると思います。
紅茶染めは「【100均染色】ダイソーの紅茶で布を染めよう。洋服や木材にも」で紹介しています。今回の玉ねぎ染めと手順が似ているので、記事構成も似たようなものになっていますが、なかなかいい仕上がりになっているので、良かったらチェックしてみて下さい。
ハンカチです。
キレイなワンカラーになっていると思います。
刺繍です。「この部分に色は入るのでしょうか。」と書きましたが、薄っすらと入っているように見えます。白い糸はほんのり黄色に。ピンクの糸はほんのり紫色に、という感じで変化が起こっています。色の濃い黒と赤の糸には変化がないみたいです。
ビフォーアフター風です。染色していない新品のハンカチと並べてみました。
紅茶染めをしたハンカチも加えてみました。ヒヨコ、黒猫、八割れ猫など、刺繍のキャラクターは違いますが、同じシリーズの製品です。
さいごに全員集合です。
100均の塗料集めが趣味のようになっていて「ダイソーのペンキ「ミルクペイント(水性塗料)」を全7色買ったよ。色見本と比較、おすすめレビュー【100均】」みたいな記事を作っています。DIYやリメイクで色選びをする時に役立っています。なんとなく眺めていても楽しい。草木染めバージョンも作ってみようかな。染料の種類と生地の材質を考えると、組み合わせはほぼ無限(?)になってきます。永遠に楽しめる趣味になりそうです。
さいごに
玉ねぎで布を染色しました。
染料液に付けている最中は「茶色い。話と違う」なんて思っていましたが、鍋から引き上げたらキレイな黄色に変化していきました。ちょっとした驚き(?)もあって楽しい体験でした。
仕上がりには満足しています。柔らかいナチュラルな色味に仕上げることができました。人前に出しても恥ずかしくないぐらいのクオリティにはなっているかと思います。
草木染めと言うと、シソやヨモギなどの身近な植物で楽しめる、というのが大きな魅力に感じています。近いうちに、別の材料を使って再トライしたいです。次はよもぎかなあ。季節的に難しいかも。ちょっと悩んでみます。
追記(2021年4月12日)です。よもぎ染めにチャレンジしました。「ヨモギ染めでハンカチを染色。季節の草木染め【野草】」です。気になった方は、覗いてみてください。
新たに草木染めをやったら、この記事にお知らせを書こうと思います。よかったらまた遊びに来てください。それでは、最後までありがとうございました。