ピンタレストを眺めていたら、セメント鉢(プランター)を見つけました。おしゃれです。無骨な感じがカッコイイ。欲しいです。
調べてみると、100円均一のセメントを使って手作りできるようです。セメントというと、プロの職人さんが使うもので扱いが大変そう、というイメージを持っていましたが、気軽にDIYで使うことのできる素材みたいです。
いい情報を見つけました。失敗しても痛くない金額ですし、とりあえずやってみようと思います。
そんなわけで、今回はセメント鉢を手作りします。観葉植物をいれて、玄関や窓枠にディスプレイしたいです。緑があると、家の中がパっと明るい印象になりますよね。やってみましょう。
関連記事>>>【100均DIY】小さい鉢(プランター)カバーを手作りするよ。材料はダイソーのすのこを利用
ダイソーにセメントを買いに行く
タイル補修用、速硬、防水、と3種類のセメントが販売されていました。パッケージのデザインが似ているので、同じメーカーの商品だと思います。
カラーはホワイト、グレーの2色です。セメントといえば、灰色というイメージがあります。今回はド定番のグレーにします。無機質な感じもカッコいいですし。
あとは、速硬タイプを使うのか、防水タイプを使うのかですが、鉢植えは水と触れる頻度も多くなります。「漏水、透水、湿気を嫌う場所に最適です」との記載がある防水タイプを使う事にします。
ダイソーはあまり来る機会がありません。せっかくなので、店内を一周して商品の様子をチェックしました。なんだか、100円以外の商品が増えている印象でした。「ダイソーの棚(木製マルチラック)をおしゃれにリメイク【500円商品】」や「【500円】ダイソー「折り畳みラック」を購入。リメイクでオシャレ収納棚に。ガタつき解消まで」などは500円します。なかなか高価。ダイソーは100円以外の商品にも力を入れていくんですかね。
とりあえず、DIYに使うセメントと、その他のグッズを買って帰宅します。
セメント鉢DIYに使う材料
防水セメント(グレー)。水を加えるだけで使用することができます。容量500gで、標準施工面積は約40×28cm(厚さ:約3mm)です。
セメントを大量に使用する場合は、100円均一で購入すると割高になってしまうので、ホームセンターやネットショップを利用するといいみたいです。
カインズだと防水セメント10kgが1,000円で売っていました。探せばもっと安いものもありそうです。ただ、趣味のDIY用というよりは、プロの現場用とか、そんな感じになってくるんだと思います。
裏です。使用方法、施工のポイント、使用上の注意が記載されています。日本語に加えて、英語、スペイン語(ポルトガル語?)の表記もあります。
鉢の型作りに使う素材です。ジュースのパック(1L)と、大きさの違う紙コップ(400ml、205ml)を用意しました。
DIYを始めてから「何かに使えるかもしれない」と思って、牛乳やジュースの紙パックは保管していました。しっかり洗ってから乾かしているので綺麗です。
ちなみに、「何かに使う」のは初めてです。溜まっていたので、少しでも数を減らせてよかったです。
大きなバケツとプランター用のスコップ、木柄移植こてです。どれも100円でした。スコップはどっちを使うかわからなかったので、両方写しておきました。
焼アンモニウムミョウバンです。スーパーの調味料コーナーに置いてありました。パッケージにある通り、本来はなす漬の色止めや、れんこん・ごぼうのあく抜きに使う食品添加物です。
セメント鉢は強アルカリ性になります。水に濡れると、水酸化カルシウムが溶けだすためです。
強いアルカリ性は、植物にとってよくありません。生育が悪くなったり、枯れてしまったり、悪影響を与えることがあります。
そこで、このミョウバンを使って、強アルカリ性のセメント鉢を中和します。安全性を高めて、植物にとって優しい環境を作ります。
文章だけを見ると、ややこしく感じるかもしれませんが、やること自体は簡単です。
水にミョウバンを溶かして、セメント鉢を数日浸すだけです。後で、実際に作業した写真を載せながら、詳しく説明します。
セメント鉢を手作りする(作り方)
「下準備(型作り)→セメント混ぜ合わせ→型に入れる→乾燥→中和(ミョウバン)」という手順です。
初めてやる作業ばかりなので、上手く出来るかはわかりませんが、なんとかいい物を作りたいです。
下準備で型作り
紙コップをセメント鉢の型用に調整します。すぐに終わる作業です。
大きな紙コップの上部をハサミで切りました。作りたい鉢の高さに合わせています。
といっても、作りたい鉢の高さに拘りがあるわけではなく、「だいたいコレぐらいかな」という非常にザックリとした感じで決めました。
「縦横の比率を考えて、出来るだけ美しく」とか、「使いやすいサイズを考えて、利便性を高める」とかは、一切考慮してないです。
ジュースの紙パックもカットしました。これで四角い鉢を作ります。セメントの量を考えると、3個が限界だと思います。丸型、丸型、四角型、の3つを作ってみます。
ちなみに、手前にある容器が型の内枠、奥にある容器が型の外枠になります。
セメントを水と混ぜ合わせる
「セメントは強アルカリ性なので、素手で触ると肌が荒れる。カサカサになる。」なんて情報を見ていたので、対策グッズを用意しました。
ビニール手袋です。普段のDIYで、塗装をする時に装着している物です。ストックが常に道具箱にあるので、今回はこれを使います。
ただ、本当は丈夫なゴム手袋がいいみたいです。商品パッケージの保護具の欄にも記載がありました。
一応、セメントと水は手でコネるのではなく、スコップを使ってかき混ぜます。ビニール手袋でも大丈夫なはずです。
マスクは使い捨ての一般的なやつです。風邪や花粉症の時に付けるタイプ。
材料一式をバケツの中にまとめました。ベランダだと室外機があって狭いので、外の広い場所で作業します。
移動しました。ハサミでパッケージを開封して、セメントをバケツに移します。粉が舞い上がらないように、底の方で作業をしました。防塵マスクならよかったけど(使ったことはないです)、普通のマスクだから少し気になります。
どう考えても、容器が大きすぎます。そして、ゴミを捨てるためのビニール袋を忘れてしまい、一度家に帰りました・・・。
水と混ぜ合わせます。一気に入れるのではなく、少しずつ足していく感じです。「水を入れる→かき混ぜる」の手順を繰り返していきます。
スコップで混ぜます。
水を追加します。
セメントと水がくっついて、重たくなってきました。底からひっくり返して混ぜるのが大変です。
園芸用の丈夫なスコップを用意しておいてよかったです。初めはスプーンで混ぜようと思ってましたから・・・。たぶん、曲がっちゃって無理でした。
使用方法にある「セメント500gに対して水100cc」という目安は守っていたつもりですが、かなり水っぽくなってしまいました。オーバーしてたかな。
本来は、もう少しトロっとして粘性のある状態がいいみたいです。セメントが余っていれば、追加して硬さを調整できるのですが、もう残ってないのでこのまま完成としてしまいます。
型に流し込みます。このバケツには注ぎ口が付いていたので、零れることなく綺麗に注ぐことができました。
速乾タイプではありません。固まり始めるまでに時間の余裕はありますが、手早く終わらせようと思います。
紙コップの型に移し終わりました。四角い鉢用の型(紙パック)も用意していましたが、セメントの残量が足りないので、今回は諦めることにしました。
しかし、500gのセメントって意外と少ないんですね。小型のプランター2つ分です。ホームセンターで売っている10kgのセメントも、案外簡単に使い切ってしまうのかもしれません。
内側の型は普通に沈めるだけだと、浮力(反発力?)でプカプカ浮かんできてしまいます。しっかり固定しておかないと、綺麗な鉢は作れないので、少し手を加えます。
ビスを重石代わりに詰め込みました。30本ほどです。それだけだと、イマイチ安定感に欠けたので、マスキングテープでサイドを留めました。
バランスも良くて、いい感じに固定されています。もう一つの鉢も、同じ手順で作ってしまいます。
完成です。硬化時間は、夏場24時間、冬場48時間が目安とされています。このまま動かさずに、固まるのを待とうと思います。
2日後です。隙間から見える縁の部分(セメント)が白っぽく変化しています。水分が抜けて硬化しているようです。
全体の状態が見えないので、少し不安ではありますが、型を外してみようと思います。
こんな時に、透明のプラスチックカップを使っていたら、中の状態が確認しやすかったですね。次回挑戦する時は、取り入れてみようと思います。
内側の紙コップを取り外します。垂直方向に引っ張れば、スポンと一気に抜けそうな感じはありますが、割れてしまったら嫌なので、丁寧に少しずつ剥がしていきます。
外れました。紙コップの底の部分に、セメントが詰まって(引っ掛かって)いて、力を入れた時に一部分割れてしまいました。薄い欠片が取れた感じなので、ヒドイ事にはなっていません。よかったです。
外側の紙コップを外します。破りながら剥いていく感じです。爪で表面をひっかかないように、少しずつ進めていきます。
型を外し終わりました。紙コップは水分を吸収して、ぐにゃぐにゃになっています。
鉢の状態は良さそうです。一応、セメントプランターとして、形にはなっていると思います。ただ、イメージしていた物とは少し違う感じでした。なんというか、上品な感じです。
表面はザラザラしていて、もっと雑な仕上がりを想像していました。気泡の跡が残っていたり、ヒビの入った部分があったり、もっと荒っぽい完成形になるのかと。
表面は、ゆで卵みたいにツルっとしています。触ってみると、多少砂っぽい感触はありますが、基本的には滑らかでスベスベです。やっぱり、上品な感じがします。ただ、これはこれで悪くないです。
水抜き穴を開ける
ZENKEの電動ドライバーを使って、水抜き用の穴を開けます。
Amazonの売れ筋ランキングで見つけた工具ですが、評価も高くて、値段も2,700円とお手頃した。最近のDIYでは必需品になっています。
初心者向けのスターターターキット(エントリーモデル?)だと思いますが、使い勝手がよくて気に入っています。
関連記事>>>【レビュー】初めての電動ドライバーは「ZENKE」にしたよ!安くて初心者におすすめの工具だと思う
ドリルビットを装着しました。手持ちの中で一番大きいサイズです。基本は木工用ですが、セメントに穴を開けることもできるみたいです。
穴開け最中です。ドリルを回しながら撮影したら、ブレてしまいました。端材を下に敷いて床を保護しています。
ドリルが貫通したところで、底部のセメントがボロっと剥がれ落ちました。少し湿っている感じがあって、「乾燥が不十分かな」と思っていたのですが、その通りだったようです。
排水用の穴は、しっかり貫通しています。底の形に歪みがあるので、穴が機能するかは試してみないとわかりません。
終わりです。それぞれ、2か所ずつの水抜き穴を開けました。
ドリルの溝にセメントが詰まってしまいました。半乾きの状態で穴を開けたのがダメだったみたいです。
ティッシュで拭いても中々取れなかったので、爪楊枝でグリグリして落としました。砂っぽかったので、その後水で丸洗いです。
完全に固まりきっていない部分もあるので、この状態でしばらく乾かします。1日ぐらいで大丈夫でしょうか。小まめに状態をチェックしながら、乾燥を待とうと思います。
2日後です。全体が白っぽくなっています。水分が抜けて、硬化した状態です。
型を外したばかりの写真と比較すると、だいぶ色味が違います。この状態なら、次の作業に移っても良さそうです。
ミョウバンでアルカリ性を中和する
1リットルの水に対して、ミョウバン1gが目安とされています。
中和するセメントの量に合わせて、この割合を調整する人もいるようですが、そこまで神経質にならなくても大丈夫みたいです。
目分量で桶に投入しました。一応「5gのつもり」です。少し多い気もしますが、たぶん問題ないです。
こういう時に性格がでますよね。キッチリ正確に計りたい人もいるでしょうし、だいだいでオッケーな人もいます。自分は後者のタイプです。
ミョウバンはすぐには溶けません。しばらく時間を置きます。
2時間後に確認したら溶けていました。少し濁った色になっています。乳白色という感じです。意味があるかはわかりませんが、近くにあったスコップでかき混ぜておきました。これで準備は完了です。
セメント鉢を沈めます。
泡がブクブク浮き上がってきました。セメントの中の空気が抜けています。
静止画なので勢いが伝わらないと思いますが、バスボムに匹敵するんじゃないかと(それは言い過ぎかもしれません・・・)。化学反応みたいで少し不安になりました。
このまま、ミョウバンを溶かした水の中にセメント鉢を浸しておきます。期間は2日です。その間は特にすることもありません。のんびり待とうと思います。
2日後です。セメント鉢と桶を綺麗に洗ってから、今度は、水道水に1日浸します。
翌日です。セメント鉢の中和が完了しました。これで植物を植えても枯れることはありません。
見た目の変化がまったくないので、本当に中和されているのか少し不安ではあります。確認したい場合は、ph試験紙(試験液)などのアイテムを使えば、アルカリ・酸性を測定することも出来ます。
カインズホームでは、水質調整用品のコーナーにありました。ネット通販で購入することも出来ます。今回は用意していないので測定はできません。
紙やすりで縁を研磨する
縁の部分が尖っていたり、ザラついていたりするので、紙やすりを使って研磨します。
セメント鉢は、掃除や水やりで直接触れる機会も多いです。ケガをしないように、滑らかになるまで磨きます。
軽くこすっただけで、紙やすりの目が詰まりました。セメントを研磨するのは初めてですが、結構簡単に削れるものなんですね。もっと硬くて苦労するものだと思ってました。
ちょうど洗面所に、使い古したボロの歯ブラシがありました。ブラッシングで目詰まりを解消しながら研磨を続けます。
意外と粉が飛びます。ブルーシートとビニール袋を部屋全体に敷いていますが、外でやればよかったかもしれません。
滑らかになりました。指で触っても引っかかる所はありません。
作業の順番的には、ミョウバン浸けの前に研磨しておいた方がスマートな気はしますが、仕上がりに影響するような事ではないので、別にいいでしょう。
削った粉が本体に付着しているので、濡れたキッチンペーパーとティッシュで綺麗に払います。
「さて、ブログのサムネイル用に写真を撮らねば」という事で、撮影場所、小物の配置、角度、明るさ、などを調整しながら、一生懸命撮影しました。一番いいなと思ったのが上の画像です。
どうですか。
なんだか鉢というより、湯飲みっぽくないですか。
「観葉植物を飾ってから、撮影すればいいじゃん」と言われればその通りなのですが、鉢の中に収まるような植物が手元になかったんです。
そんなわけで、この湯飲み感を消すために、塗料を使ってカラーリングしてみようと思います。完全に思い付きです。どうなるかは、わかりません・・・。
セメント鉢をペイントする
ターナーミルクペイントのインクブラックを使います。艶消しのマットな質感が可愛い水性塗料です。匂いがほとんどないので、室内のDIYに向いています。「【DIY】小型「テレビ台」を手作りするよ。ロータイプでおしゃれなデザインを目指す【作り方】」や「【DIY】壁ぴったりの「本棚」を自作しよう!木材は1×8(ワンバイエイト)だけの簡単シンプル設計【作り方】」などでも使っています。
せっかくのセメント素材を活かしたいので、鉢全体を塗装するのではなく、一部分にラインが入るようなデザインにしてみます。
フリーハンドで描くと、境目の部分がガタガタになってしまいそうなので、マスキングテープの力を借ります。鉢の側面を1周ぐるっと養生しました。
塗ります。表面がツルツルしているので、刷毛が滑るように進んでいきます。木材を塗装するのとはまた違った感覚です。なかなか楽しいです。
塗り終わりました。木材の場合は、「木目に沿って塗る」みたいなルールがありますが、セメントの場合は、調べた限りでは特にないみたいです。
広い面積を塗るわけでもないし、多少ムラになったも「手作りのいい味がでている」と納得するつもりなので、なんとなくで全て塗り切りました。
そうそう、失敗作になるかもしれないので、ペイントするのはこの鉢一個だけにしておきます。
30分程乾燥させました。指で触れても塗料は移りません。マスキングテープを剥がしていきましょう。なんだか今回のDIYで一番緊張します。
完成しました。初めて作った割には、そこそこ上手く出来たかなと思います。
全体的にスタイリッシュな印象です。冷たくクールな雰囲気もあります。黒でペイントした帯は、それっぽくなっていると思います。あるのとないのでは大違いです。湯飲み感も完璧に消えて(?)います。
サイドには、型のつなぎ目部分があります。少し凹む形になり、いいアクセントになっています。遊び心があるようなイメージにも見えます。
セメントを使っているので、同じサイズの鉢に比べて重量があります。ずっしりと重いです。うっかり落としてしまったら、簡単に割れてしまいそうな気がします。持ち運びや取り扱いには注意しないといけません。
過去のDIYでは、木材を中心に扱ってきましたが、別の素材を使ってみるのも楽しいです。新鮮な気持ちでワクワクするような感覚がありました。
同じ手順でセメント傘立てを作ろうと思ったら失敗しました(追記:2021年7月22日)
セメント鉢と同じ手順で、コンパクトな傘立てを作りました。完全に失敗しました・・・。
傘を差し込む窪み部分の型作りに、極太の油性マーカーを使いました。セメントが固まったらスポっと抜ける予定だったのですが、張り付いてしまってどう頑張っても抜けなくなってしまいました。
ペンチを使ったり、ビニールテープを巻いたり、ネジを貫通させたり、思いつく限りの手段を試してみたのですが、引き抜くことはできませんでした。
鉄柱に括り付けて頑張っている一枚です。
あれやこれやと試行錯誤しているので、気になった方は「【失敗デス】ダイソーのセメント(速硬)で傘立てを手作りする」を覗いてみてください。ダイソーセメントdiyの反面教師にもなると思います。
さいごに
材料を買いに行ったのは、2018年10月05日です。作業を始めたのは、2019年02月20日。4カ月後です。そして、ブログへの投稿は、2019年03月01日。買い物、製作、記事化で、5カ月かかっています・・・。
定期更新を意識しているわけでもありませんし、何カ月掛かろうと問題はないのですが、もう少しスピードアップしたいです。あんまり期間が空くと、細かな内容を忘れてしまう事もありますし・・・。
さて、そんな反省はほどほどにします。完成したセメント鉢ですが、今まで作ってきた物の中でも、上位にランクインするぐらいのお気に入りになっています。
次回は、牛乳パックを使って四角い鉢を作る予定です。それに加えて、浅めの型なんかも用意しようと思います。アイデア次第で色々なバリエーションの鉢が作れて面白いです。2回目なので、今回よりもっと上手く作れる「予定」です。
制作したらブログの記事にして紹介するつもりです。よかったら、また遊びに来てくださいね。それでは、最後までありがとうございました。