紅茶染めにチャレンジします。使うのは、100円均一ダイソーの紅茶。染めるのは、セリアの巾着とハンカチ。王道の布染色です。
少し前にやったコーヒー染めがソコソコ上手くいったので、今回もソコソコいい物が作れる予定でいます。デザインの目標はシンプルでオシャレ。日常生活でも使えるぐらいのクオリティで仕上げたいです。
掴んだコツやテクニックは紹介していくつもりです。紅茶染めのやり方が気になっている方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
関連記事>>>自宅で藍染をやるよ。SEIWAの「紺屋藍」を買ってみた。
ダイソーの紅茶売り場
お茶・コーヒー用品のコーナーです。ココア、カフェオレ、青汁などもあります。ガムシロップや角氷砂糖なども。気分にあわせて選び放題です。
お目当ての紅茶がありました。思っていたより豊富な品揃えです。ラインナップはこんな感じになっています。
- ルイボスティー
- アップルティー
- ジャスミン茶
- アールグレイティー
- ハイビスカスティーローズヒップ
- ピーチティー
紅茶は普段飲まないので、まったく知識がありません。どれにしたらいいのか。
陳列されている紅茶は一通り確認してみました。当然ですが、染色に付いて触れられているものはありませんでした。結局、どれを選んだらいいのかわからなかったので、一番有名な(気がする)アールグレイティーにしてみました。
そうそう、100均の染料に付いて調べていたら「プリンターインクでも着色できる」という情報が多く出てきました。楽しそうだしやってみたい気持ちはあるのですが、「できる」と書いてあるだけで、実際に染色をしている人はいませんでした。今日は敬遠しておこうかなと思います。
追記(2021年8月2日)。プリンターインク染めを試してみました。「墨汁、絵の具、プリンターインクで布を染める【100均染色】」です。鮮やかな黄色に染めることができました。少し、化学系の雰囲気もあったりします。
紅茶のお会計を済ませて帰ります。
紅茶染めに使う道具
「いつか何かに使うだろう」と思いセリアで買っておきました。こういった買い方をしたアイテムは、無駄遣いになる事も多いのですが、今回、有効活用することが出来そうで良かったです。
- 品名:キンチャク(M)どうぶつナチュラル
- サイズ:約300×230mm
- 材質:綿(本体)/ポリプロピレン(紐)
- 発売元:シナップス・ジャパン
左側。ふっくらした猫のイラストが可愛い巾着です。サイズ違いで同じものを持っているので、染色後、ビフォーアフター風の写真を紹介します。
- 品名:てぬぐい風バンダナ刺繍
- サイズ:約50×50cm
- 材質:綿100%
- 発売元:フジサキ
右側。八割れ猫の刺繍が可愛いハンカチです。
簡単にチェックしてみます。
巾着の表面です。ゴワっとした触り心地になっています。固め。色は淡いベージュという感じ。麻っぽい感じもあります。
紐です。猫のイラストと同じ藍色が使われています。ポリプロピレンという事なので紅茶の色は入らないと思います。
ハンカチ表面です。サラっとした触り心地になっています。白と言うよりは乳白色に近いと思います。
刺繍です。この部分に色は入るのでしょうか。
染色に使うため用意した道具です。
- 湯桶
- 豆乳
- ミョウバン
- 紅茶
詳しく見ていきますね。
湯桶です。漬け置きや濯ぎに使います。
前回のコーヒー染めのために用意しました。セリアで購入した物ですが、深さがどうだとか、デザインがどうだとか、拘りを持って選んだわけではありません。何となく使いやすそうだな、と思って選びました。
調整豆乳。たまたま冷蔵庫にあったものです。下地作りに使います。
布をそのまま染めるだけだと、上手く色が乗らないそうです。”詳しい事はわかりませんが”、豆乳に浸す事で、含まれているタンパク質が繊維と結びつき色素が吸収されやすくなる、という事です。
下地作りに使用する豆乳は、無調整のものが押されていましたが、今回使うのは調整豆乳です。成分がどうとか、仕上がりがどうとか、細かな部分で違いが出てくるのかもしれませんが「どちらも豆乳なのだから平気でしょう」という素人らしい感覚(?)で進めていきます。
焼アンモニウムミョウバンです。コーヒー染めで使ったので開封済みです。仕上げの色止めに使います。草木染めでは定番のお役立ちアイテムみたいです。
今回の主役です。
- 品名:こだわりの薫り「アールグレイティー」
- 原材料名:紅茶/香料
- セット内容:12袋入り
- 説明:糸が頂点に付き茶葉が広がります。ティーポットでいれた味わいが楽しめます。
- 特徴:摘みたての茶葉を直輸入
ホット、アイスどちらにも対応しています。美味しそうなので余ったら飲んでみます。
裏面です。おいしい作り方や本品の特徴があります。スリランカの茶葉を輸入しているのだとか。
開けてみました。三角ティーバッグです。コンパクトなサイズ。香りが良くて美味しそうです。袋の中で茶葉が漏れていたのか、かなり粉っぽい感じがあります(元々そういった物なのかもしれません)。
紅茶染めスタート
下地作りの準備です。桶にお湯を張りました。
豆乳を注ぎます。
下地作りに使う液体は、濃ければ濃いほど色が乗りやすくなるそうです。なので着色効率を考えると本当は、豆乳を薄めず原液で使った方がいいのですが、「残りがほとんどない」という完全な準備不足が発覚したので、水3:豆乳1の割合で使う事にしました。
割り箸でよくかき混ぜました。白く濁ったような液体になっています。容器が白い桶なので確認しづらいですね。派手な色の桶を用意すればよかった。
「せっかく染める物が2つあるのだから、1つはアレンジを加えてみよう」という事で、ハンカチの方は折り絞りをやってみました。「自宅で藍染をやるよ。SEIWAの「紺屋藍」を買ってみた。」で勉強した技法です。
折り絞りの簡単な手順です。
- 4つにびょうぶ折り
- 2等辺三角形にびょうぶ折り
- 両端と真ん中を輪ゴムで止める
これで染めると、四角形が連続したような柄になります。
そして、浸水直前にある事に気づきました。
「煮る時に輪ゴムが溶けるんじゃないのか」
調べてみたら、輪ゴムの耐熱限界温度は80度だそうです。この数値は輪ゴムの種類によって変わるものらしいのですが、今回使っている輪ゴムは”おそらく”80度のものです。辞めておいた方が無難な気がします。
そんなわけで、折り絞りを解いて浸けることにしました。
巾着も投下します。白い桶に白い液に白いハンカチにほぼ白い巾着です。やっぱり桶だけでも色を変えるべきでした。
とりあえず、全部沈めたらこの状態で20分程放置します。
その後、10分程揉み込みます。全体にしっかり染み渡らせるとキレイに染まる、という事なので、手を抜かずにやります。一生懸命です。
よく絞ってから取り出しました。
揉み続けるのは握力も使うし大変だったのですが、見た目に変化の起こる作業ではないので、やり終えた感というのか、「達成感」みたいなものが無いです。
とりあえず、布の下準備は終わりました。続いて染料液作りです。
パッケージ裏の美味しい作り方によると、お湯150mlに対してテトラバッグ1袋が適量との事です。今回はお湯1Lを使う予定なので、この計算に合わせると、テトラバッグは7袋が適量となります。
何となく、12袋全て使う事にしました。色が濃く出そうだったら、早めにお湯から引き上げます。やりながら上手く調整するつもりです。
指で掴んでジャブジャブするのは熱そうなので、割りばしに紐を括り付けました。ザリガニ釣りスタイルで臨みます。
ボロの鍋を使います。「ダイソーのエプロン(ポパイ)を珈琲で染める【200円】」でも使っている鍋です。1リットルの水を入れて火にかけます。
沸騰したら紅茶を入れます。
ざぶーん。
染め液の濃さに決まりごとはないので、好みで決めてしまっていいみたいです。今回は、これぐらいの色味にしてみました。紅茶と言えば、透き通るようなキレイな色味が特徴の一つに思いますが、その良さが一切なくなるほどの深い茶色になっています。
染色の経験はまだ浅いのですが、思っているより薄く仕上がることが多い気がするので、染料液は濃いめに作っておいた方が想像通りの発色に近づくと思います。
巾着とハンカチを投入します。
紅茶液に入れた瞬間、茶色い色味がフワっと染み渡って素敵でした。
弱火でグツグツ煮込んでいきます。沸騰しないよう温度に注意です。
ムラができないように定期的にひっくり返します。布が水を吸って重いです。割り箸ではなくトングなどの強度のあるものを用意しておけばよかったです。
換気扇を回しながら作業していますが、部屋の中一面が紅茶の香りに包まれています。リラックス効果が凄いです。
ある程度煮込んだら火を止めて、色止め液の準備をします。
桶にお湯を張ります。
ミョウバンをいれます。
草木染めの熟練者になると、布の重さや面積によって濃度を変えたりもするようですが、読んでもイマイチわからなかったので、初心者らしく適当に入れました。たぶん8gぐらいです。
前回の「コーヒ染めで無印のエコバッグ(布)を染色するよ。オシャレにリメイクしたい」の時も、こんないい加減な感じで進めていましたが、一応上手く行ったので大丈夫だと思います。頻繁に洗濯するような物の場合は、しっかり計算した方が良いかもしれません・・・。
軽くかき混ぜたら結晶は溶けました。
鍋から巾着を引き上げます。パッと見は均一に染まっています。色も馴染んでいますし、いい感じかもしれません。ちょっとピンクっぽい雰囲気もあります。
色止め液に投入です。熱くて絞れなかったので、水気は取らずに漬け込みました。
続いて、ハンカチです。
ざぶーん(2回目)。
この状態で30分程浸けておきます。どうしても浮き上がってくる部分があるので、定期的に押さえて沈めておきます。
30分経過しました。特に見た目に変化があるわけではありませんが、色褪せや退色の防止はできているはずです。洗います。
桶に水を貯めてすすぎます。色が出なくなるまで徹底的に洗い続ける必要があります。
今日は、揉んだり絞ったりする作業が多くて、握力が抜けている感じがします。全然力が入りません。完成まであと少しなので頑張りたいです。
終わりです。洗っても洗っても色が染み出てきて大変でした。手強かったです。
天気がいいのでベランダで干します。日陰干しがいい、みたいな話もあったのですが、お天道様で一気に乾かしてしまう事にしました。
紅茶染めした巾着とハンカチ
落ち着いたベージュ系のカラーになりました。薄っすらピンク色も入っているように見えます。全体的に柔らかい色味で質感がいいです。
どちらもシンプルな単色仕上げです。色ムラなどもなくキレイに染めることが出来ました。いい具合だと思います。
シワを伸ばしてから撮影するべきだったのかもしれませんが、くしゃっとした表面から、アンティークのようなレトロのような雰囲気も出ていて、これはこれで悪くはない気がしています。
巾着です。
表面です。
紐の部分は変化なしです。
サイズの違いはありますが、同じデザインの巾着です。色の比較がしやすいと思います。
重ねるとこんな感じです。猫さんのイラストもちょっとイメージチェンジした感じに。
ハンカチです。
表面です。ナチュラルで優しい雰囲気があります。
巾着もそうでしたが、鍋から引き上げて、色止め加工、すすぎ、日干し、という手順を踏んだら、半トーンぐらい色が落ちたように感じます。
刺繍です。薄っすら色が入りました。極端な変化があったわけではないので、言われてみないと気付かないレベルだと思います。
糸の部分です。
糸には色が付かない、付きにくいと言われています。
なんて事を書きましたが、キレイなベージュに染まっています。違和感などもありません。
コーヒーで染色した無印のエコバッグと並べてみました。元々の生地の色が違うので、単純な比較とはいきませんが、なんとなくの色のイメージは掴むことができると思います。
重ねるとこんな感じです。
珈琲染めについては「コーヒ染めで無印のエコバッグ(布)を染色するよ。オシャレにリメイクしたい」で紹介しています。今回の紅茶染めと手順が似ているので、似たような記事構成となっていますが、なかなかいい仕上がりになっているので、良かったらチェックしてみて下さい。
紅茶で木材を染める
紅茶が大量に余りました。捨てるのはもったいないです。かといって飲むわけにもいきません。有効活用とは言えませんが、木材に塗って発色のチェックをしてみようと思います。
鍋のままだと何かと不都合が多いので紙コップに移しました。美味しそう。
ダイソーのブロックです。「ダイソー「木材」のサイズと種類(板材、角棒、丸棒、ブロック、MDF材)を紹介します。」で購入しました。
今回は立派なカラーチャートを作るわけではありません。ちょっとした試し塗りです。木板などの大袈裟なもの(?)ではなく、手頃な木製ブロックを使ってみようと思います。
形は色々あったのですが、何となく直方体を使う事にしました。手のひらにスッポリ収まるほど小さなサイズです。寸法は60×30×15mm。
刷毛などは使わずドボンといきます。ビスケットを紅茶に浸すスタイルです。
薄っすらと色が付きました。
紅茶には、水性塗料やニスのような粘性はないです。表面に色を塗るというよりは、表面に色を染み込ませるという感覚に近いです。ワトコオイルとかステインとか、そっち寄りに思います。
特に難しい作業でもないので、一気にやってしまいます。
乾燥まで終わりました。全体的に薄く控えめな仕上がりです。左から、無塗装、一度塗り、二度塗りという並びになっています。
光の当たり方によっては、ほとんどわからないレベルです。
切断面(木口)です。
手に持ってみました。紅茶の薫りは完全に消えています。
ダイソーニスの色見本と並べてみました。色味の系統は、右のメープルに近いと思います。「ダイソーの「水性ニス」全5色を買ったよ。色見本と比較、おすすめレビュー【100均】」で詳しく紹介しています。
さいごに
100均ダイソーの紅茶で布を染色しました。
思っていたより優しくナチュラルな色味に仕上がりました。薄っすら入ったピンク色が可愛い感じもあります。コーヒー染めとはまた違った雰囲気があって楽しい染色でした。作業もスムーズに進みましたし大満足です。
ダイソーにはアールグレイティー以外の紅茶もたくさん置いてありました。おそらく、紅茶の種類が変われば発色も変わってくると思うので、また、別のものを使って再チャレンジしてみようと思います。次はルイボスティーを使ってみようかな。洋服でも染めてみよう。
新たに紅茶染めをやったら、この記事にお知らせを書こうと思います。よかったらまた遊びに来てください。それでは、最後までありがとうございました。